アラン・フリード

日本全国約30人のオクジュンブログファンの皆さま
開設以来初の「連休」をとってしまいましたが 如何お過ごしですか?
いろいろなトモダチや信用している人からのアドバイス
励みになります
また「教科書」のように感じられている若いロッカーの皆さん!
そう まさにこのロックンロール・バイブルを今一度ひもといて頂きたい
汝信じたまえ されば救われん
決してラリってるワケではないのですがコレ天然です、ナチュラルね

エルヴィスがメンフィスの片田舎でホットなサウンドを作っても
地元のチョーマンのでかいホールで「Oh Baby Baby Baby♪」なんてピーカップしても
地元の小さなレコードを作ってるスタジオで何枚プレスしても
アメリカ中をコーフンさせるコトはできません

やはりメディアを最大限利用して情報を電波で伝えないと

アラン・フリードってただのラジオ局のDJ バンドも歌もやってない ただのオッサン
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それまでのポピュラー音楽(オーケストラ主体のイン・ストとか)を中心になって
白人ラジオ局は当たり前のように流している
まるで学校給食のトキにホーソウ係が流しているポール・モーリアみたいなクソだね

彼のトモダチのレコード店経営のレオ・ミンツ氏とバーて一杯やってたトキ
「最近、白人の若い子がR&Bのレコードをよく買いにくるようになったよ」
「ホントっすか、じゃオレも自分の番組でやってみようか、オレもR&B好きだし」
「ヤバイって、オマエ黒人に思われるし オマエの会社固いからさクビになるよ」
「今度、自分の番組ワクがあるんでイッチョ ブチかましてやりますよ」
「じゃあ 好きにしろ で来週だけどさクリーニング屋のルーシーとメリーと合コンしねえか?」
てなグアイ

51年オハイオ州グリーブランドのラジオ局WJM
「ムーン・ドック・ショウ」は深夜キック・オンした

番組が始まるトキに狼の遠吠えをマネたシャウトから始まり
ブ厚い電話帳でテーブルをバンバン叩き
リクエストを電話でとり旬の新人グループを紹介する
一番最初に流した曲はジャッキー・ブレストンの「ロケット・88」

ナット・キング・コールやペリー・コモが悪いとは言わない

当時のティーンは「ムーン・ドック・ショウ」を親に内緒で聴いていた
爆発的にヒットし10代20代の強力な支持を得た
まるで「トゥナイト」の山本晋也のコーナーみたいなモンだね

放送局の代表は彼を呼び
「どーなってる?苦情の山だ 何故ポピュラーをかけない おまえクビ」
一晩で彼は首にされてしまった 

しかし苦情の山より大きい彼に対するファン・レターが来て
彼は翌週、再雇用される がまた社長からの呼び出し
「大スポンサーのハロー牧場のニックさんはもう提供しないって言ってきてるぞ」
親やガールフレンドは
「アンタにゃ愛想がつきたわ」「もう来なくていいから、迷惑だ」

人種差別ってのはオレは反対 イイモノはいいんだよ でも閉鎖的な考えなんだよね
わかりやすく言えば
今から20年くらい前は日本でも在日の人に対して差別していた
ハンリュウブームでさ今は手のひら返した様になっちゃってるけどね
その頃ラジオで「黄色いシャツ」とかさアチラの音楽専門でかけるDJがいたら・・・
家族も知り合いも迷惑だったんだよね 第一本人も不利だし 放送局も分けてた

ハナシを戻そう
彼によって紹介されメジャーになったアーティストは
ファッツ・ドミノ、チャック・ベリー、クライド・マクファター&ドリフターズ、ペンギンス
特に「シンシアリー」のムーン・グロウズなんかは彼が作詞をしている
「ジャスト・キャント・テル・ノーライ」って曲もあるくらいだ
もちろん
彼のR&Bをかけるスピリッツは各地に波及し白人局でもアラン・フリードは
リスペクトされR&Bがアメリカ中に広がっていく
エルヴィスはその渦中にデビューしていたんだね

彼が番組中に「ロックンロ~ル」って叫びながらジョー・ターナーや
ルース・ブラウンを流す
コレが今 世間でミンナが使ってる「ロックンロール」ってコトバのはじまり

アラン・フリードはその後ニューヨークの有名ラジオ局WINSのDJに就任し
ラヴァーン・ベイカー、レイ・チャールズ、リトル・リチャードを世に送り出す

58年 ボストン・アリーナー・ショウで暴動が起きでソレの扇動をしたと
ヌレギヌを着せられ不当逮捕
その後事情聴取でレコード業界との収賄のでっち上げで完全に業界から姿を消した
65年1月 アルコール中毒でこの世を去る 43歳

彼のダミ声でガナり立てるように威圧的でもあるがアーティストに愛のある紹介
誰よりもR&Bを愛したった1人で白人と黒人の垣根を払い
ロックンロールを世に送り出した中心人物
反逆者のレッテルを貼られても自分の道を進んでいく姿
カッコよすぎ こんなオトコになりたいね
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ムーン・ドック・ショウの臨場感を味わうならベア・ファミリーからリリースされている
Blowing the Fuseってシリーズ 1945年から1955年まで今発売している
コレの50、51、52辺りがヘビー・ローティションでカカってたと思う お近くのレコード店で
by hey.onetwo-okujun | 2005-05-08 05:41
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